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『魍魎の匣』第12話 「脳髄の事」~感想

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「陰陽為奉」(おんみょうしたてまつる)


私にはこう聞こえたんですが……。本当はどうだったんだろう。
実のところ、魍魎は毎回リアルタイムに一回見たっきりで感想を書いてきたので、今となっては「御行」なのか「陰陽」なのか聴き直すこともできないというね。

本家の「御行」ではなく「陰陽」と聞こえた理由は……「書いたのが関口だから」に他なりません。
あの黒衣の男が京極堂をモデルにしたキャラクターであるのなら、京極堂が使うのが陰陽の技と知っている関口ならばそうしたセリフにするだろうと……。そういう安易なことをするヤツなんだあいつは!!

「御行為奉」(おんぎょうしたてまつる)
は、京極夏彦先生の妖怪シリーズと並ぶ代表作、直木賞受賞作も含む『巷説百物語』シリーズの主役、御行の又市の決め台詞です。
「仕掛け」を完遂した後、手に持った鈴をりん、と鳴らしながらこのセリフを呟くのですね。

本作でも、アバンではよく鈴が鳴っていて……残暑も厳しいから風鈴の音なのかなーとか思っていたのですが、今回の黒衣の男の鳴らしっぷりはさすがに「おいおい、お前は又市か」と思っていたら本当に上記のセルフパロディセリフを言っちゃったという……。
いや、アニメスタッフのやったことだからセルフじゃあないんですが。

ってゆーか、言っちゃったね。つーか言わせちゃったね。というより出ちゃったね!!


黒衣の男、京極夏彦!!


相変わらずのイイ声と演出力(演技、ではないかな)です。
ご本人は公式サイトのインタビューで「よく声の仕事をやらされて困る」みたいにぼやいてましたが、そりゃああんたがうまいから呼ばれるんですよ。呼びたくなっちゃうんですよ。

実際、上記の『巷説百物語』がアニメ化された時には、又市たちの元締め(黒幕)的存在である「京極亭」役としてセミレギュラー出演されてましたからね……。
顔は出さずに「京極亭」の看板だけで喋る(いわゆる「天の声」的な)役どころだったんですが、これがまたイカしてたんだ。
又市役の中尾隆聖さんにも負けてなかったよ。……というのはさすがに言いすぎですか。

百物語シリーズと妖怪シリーズは、時代こそ江戸(あるいは明治)と昭和と大きく隔たっていますが、直接的に繋がっている作品だったりもします。俗な言い方をすると「同じ世界観の元に作られている」とでも言いますか。
文末にリンク貼っておくので興味があればお読みになってみてください。

「この建物自体が彼の創った『人間』なのだ」  ――京極堂

ここからは隙間を埋めるぜ。ウヘヘヘヘ。(危)

12/13話の謎解きパートでは、何よりもまず事件の構造・真相を客観的に明らかにする必要があったため、削られたり変更されたりした台詞が多くありました。
上記もその一つで、今回でいうとラストの「僕らは久保の中にいるんだよ」に相当するセリフです。
個人的にこちらの方が、美馬坂がいかにとんでもない科学者であり、この匣館がとんでもない化け物であるかというのを端的に表していて、インパクトがあったんじゃないかと思ってます。
アニメだとどちらかというと久保寄りの表現ですよね。彼の妄執がいかに強く、関口たちを取り込んでしまいそうなことか、という。

これに限らず、『魍魎』の憑き物落としシーンでは、シリーズの他作品と比べても印象的なセリフが多いとm.m.は思っています。
とくに、その場に居合わせた人間たちの感情、心が現われたセリフが。
他の作品では事件自体(ミステリー的な部分)が複雑すぎてそれを解きほぐすのに感情の入り込む余地がなかったり、逆に関係者の妄念が大きすぎて冷静な人間が(京極堂以外)誰もいない、みたいなところがあって、その点この魍魎は一つ一つの事件は単純であり、トリックも犯人たちの事情もそう理解の範疇を超えたものでないため、それに対する関係者たちの反応、ツッコミが冴えているように感じられるのですね。
そういった視点から、このたび原作を読み返し狂ったm.m.が考える、魍魎に憑かれた者たちの心理をより深く理解できるであろうセリフを、ピックアップしていきたいと思います。

……放映終了して一週間経つアニメについて理解を深めるも何もないものですが、まあ……自己満足なので……。(爆)
本当ならもっと早く、リアルタイムでそういった情報を求めている方々の目に触れるようにしたかったですけどね。
以下、各人物のセリフは原作小説からの引用ですが、この記事に載せるにあたり漢字をひらくなどの変更をしている部分もあります。

「嘘でも、父親が欲しかったのです」 ――陽子

「誤魔化すな! あんたは加菜子に父親のことなんかひと言も云ってねえじゃねえか。やはり援助が、金が欲しかったんだろうが! 正直に云え」 ――木場

まずは、加菜子が柴田弘弥の子供ではない、と露見した後のシーン。
陽子の辛い立場と、彼女を好いているが故に怒りを隠しきれない木場の旦那とのやりとりです。

木場修の、惚れた女が嘘を重ねることが許せない正義感の強さと、それでもその人の娘……加菜子の立場を忘れずにいる優しさが垣間見えます。
この作品における木場の旦那は、とかく「恋は盲目」といった暴走が目につきがちですが、それはあくまで自分の立場を顧みないだけであって、周囲に対する配慮は欠いていないのが彼のいいところだと思うのです。
榎木津に殴られたのも誰かに迷惑かけたからじゃなくて、彼らと協力せず自滅しそうになったからですからね。

ちなみにこの柴田弘弥という人についても同じところで多少触れられていますが……この一族の男たちは基本しょうもないので、ここではスルー。(爆)

そして、陽子のこの嘘に対して激しく反応した人物がもう一人。こちらも怒って然るべき理由の持ち主です。

「君! 陽子さん。それじゃああんた十四年間も我々謀ってきたのか?(中略) そりゃあんまり酷い。本当に詐欺だ!」

「私だって好きでやってたわけじゃない! そもそもあんたが私達を騙したのが悪いんじゃないか。被害者は私の方だ!」 ――増岡


ここからスーパー増岡タイム。
増岡弁護士はアニメだと結局何しに来たのかよく分からない感じでしたが、原作では謎解きシーンにおいて大活躍でした。
関口が「増岡は反応が早い。今や一番優れた聞き手であろう」と感じ、「増岡は機関銃のように質問する」と喩えられるくらい。
愚鈍な聞き手、読者と疑問を共有する立場である関口に対し、彼は単なる驚き役なだけではなく、この段階で読者が抱えているだろう疑問をまとめてスパスパと口に出してくれる代弁者なのですね。

「ああ! なる程! つまりこうだな。(豪快に中略)不備だな」

推理を披露した上にその計画の不備まで指摘する、インテリならではの合いの手。これは今回アニメでも再現されている台詞でした。

しかし当然、こんな解説ゼリフを言わせるために、京極堂は彼、増岡弁護士を憑き物落としの場に呼び立てたわけではありません。
彼が当たった、彼に憑いた「魍魎」とは一体どんなものだったのか――ということだけは、他の面々に比べてアニメではフォローしきれていなかった感じがあります。
そこで、以下のセリフ。

「(前略)増岡さんに云ってしまったら……今までの援助を返せと、そう……云われると思いました。(後略)」 ――陽子

「もしあんたが告白していたら(中略)私はあんたのためにいくらだって尽力したよ! そのくらいのこと!」

「あんたは何で腹を割って話してくれなかった! 私はそんなに信用できなかったのか?

雨宮のような落ちこぼれは信用していたくせに!

私は鬼か蛇にしか見えなかったのか。情けない」 ――増岡


「それが本音だ」 ――関口

「増岡さん。言葉ってのはな、(中略)どう思っていようと通じなけりゃそれまでだ。お前さんの言葉は、通じにくいんだよ」 ――木場

この台詞を聞くか聞かないかで、増岡という人物に対する理解度と印象はだいぶ違うでしょう……というか、このセリフこそが増岡というキャラクターの本質を表していると思います。
もう最終回まで放送されていますから書きますが、増岡に憑いた魍魎は雨宮という人物に対する評価、という形で分かりやすく現われています。
その雨宮の到達した先を知ったことで、彼から魍魎は落ちた、ということになるわけですね。

そのへんについては最終回の内容になってくるので、また改めて。

……うーん、もっと色々な台詞を取り上げたかったのですが……結局想定していたとおりのただのものすごい増岡語りに終わってしまったなぁ。
とくに美馬坂の医者・科学者としての論理的を極めた人間観、仕事観や、京極堂との直接的な対比と対決などは、アニメでももっとクローズアップしてほしいところだったのですが。
原作ではセリフの応酬のみならず、画面(描写)的な演出でも美馬坂と京極堂、白衣の科学者と黒衣の陰陽師の対比は強調されていたので。
ただ、この二人のセリフは俺らパンピーには難解な上に長いんだ……。だから正直書いてられない。←

まあ、ラスボスである美馬坂はともかく、イヤミな脇役でしかなかった増岡をここまで押す感想ブログというのもなかなか無いでしょうから、ここはいち原作ファンとして、胸を張ってこの記事をお届けすることと致します。

好きなんだよなぁ……こういう頭が良いゆえに他者との相互理解が成り立たないというか、損な目を見る人が。
ちなみに私が京極堂妖怪シリーズ各巻でもっとも感情移入した人物。

『姑獲鳥』――該当者なし
『魍魎』――増岡弁護士
『狂骨』――降旗弘
『鉄鼠』――山下警部補、あるいは和田慈行
『絡新婦』――該当者なし、強いて挙げるならその後の降旗
『塗仏』――大佐(爆)

うん、とりあえず誰か京極堂持ってこい。
ちなみに折り返し後の二作は今のところ該当者なしです。強いて言うなら邪魅の山下警部補。

私という人間の分かりたくもない中身がだいぶ分かってきていただけたと思いますが、そんなm.m.がお送りする『魍魎の匣』感想も次でいよいよ最終回。……になるはずです。総括・お疲れ様会はやるかもしれない。

今回の時点では、あと30分に収まりきるのか不安だったものですが……それはともかく。

最終回は、「魍魎の匣、あるいは人の事」。


一日も早い『科学の再婚』の成就を願う、多くの輩に捧ぐ――


【最終回感想に続く】


↓残るは巷の怪しい噂――。↓
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